| 雑草と共存する田んぼ ミズアオイのお米 |
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私たちは、主に宮城県の県北にある蕪栗沼・周辺水田をはじめとしていろいろな場所で無農薬米(農薬・化学肥料共に無使用)や特別栽培米(農薬の使用量が従来の半分以下)を栽培している水稲農家です。 無農薬米を毎年同じ田んぼで栽培していくうち、つまり田んぼに農薬を使用せずにいるうちに稲以外の水草が田んぼに生えるようになりました。 ![]() 昔も今もコナギといった田んぼに生える草は、稲に必要な養分を吸い上げる雑草として田んぼから引っこ抜くものとされており、田んぼにとってはいい存在ではありません。 稲の合間に成長したコナギです→ ところが、毎年無農薬米を作っていくうちに、同じく毎年田んぼに生えてくる紫色の花を咲かせる背の高い水草があることに気づきました。最初何という名前か分かりませんでしたが、たとえキレイな花を咲かせようと稲にとっては養分を奪ってしまう雑草であることに変わりなく、「もったいないなぁ」と思いつつも引っこ抜いておりました。しかし最近になってその草が『ミズアオイ』という名前であることを知りました。そしてそれが、絶滅する恐れのある植物であり貴重なものであるということも。 ![]() 毎日汗水たらして田んぼで働く私たちですが、田んぼの中に紫色の可憐な花を見ることは心の癒しになります。「なんとか稲と共存できないものか」と思い、今年からミズアオイを残して田んぼを作っていくことにしました。 これを、『ミズアオイのお米』として販売致します。 ○雑草博士:嶺田拓也氏によるミズアオイの考察 ミズアオイ(Monochoria korsakowii;水葵)は,水田や湖沼,河川などの水辺に生育するミズアオイ科の一年生植物です。田んぼの強害雑草である同属のコナギとよく似ていますが,全体にコナギより大きく,特に葉はコナギより丸みを帯び,また花序が立ち上がって葉より高くなるので区別できます。コナギは,稲作とともに大陸から古い時代に渡来してきたイネの随伴雑草として知られ,代かきや草取りなどが頻繁に行われる田んぼの環境に特化して生活している植物なので,田んぼ以外の環境下に見られることは滅多にありませんが,ミズアオイは稲作の伝播よりも以前に全国の自然の湖沼や河川の氾濫原に生育していた植物と考えられています。古く奈良時代や平安時代頃には,“セリ”と同様に河川などに生えたミズアオイを“ナギ”と呼んで食用していた記録も残されており,日本最古の野菜のひとつだったといってもよいでしょう。水田には,戦前の記録によると,北海道から九州地方まで,発生量はさほど多くはないものの,広い地域で普通に見られたようですが,1960年代以降に各地に拡がった除草剤や基盤整備などにより急速に各地から減少してしまいました。ちょうどその頃,河川整備や湖沼開発,また水質汚濁などにより水田以外の自然湿地環境も急激に減少・劣化したため,ミズアオイは急速に全国各地から姿を消してしまい,今では絶滅のおそれのある植物のひとつとして,リストアップ(環境省版2007では絶滅危惧U類)されています。現在,西日本ではミズアオイの自生地は数えるほどしか残っていませんが,北陸や東北,北海道ではまだ自然の湖沼や湿地を中心に比較的ミズアオイの自生地が多く残っています。しかし,田んぼに見られることは少なく,ミズアオイが見られる水田の多くは,除草剤に依存しないイネづくりを行っている田んぼとなっています。 蕪栗沼にもたくさんのミズアオイが見られますが,その周辺の水田では今ではほとんど見かけることができません。 今でも可憐なミズアオイの青い花が稲穂の波間に見られる齋藤さんの水田は,イネとともにもともとその地域に生育していた植物も共存させているすばらしい田んぼといえるでしょう。 |
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